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【第10回】 和装女装マゾ
中村和美の世界 （1970年代） |
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女装関係のコーナーを常設し、女装関係のルポや写真、小説をほぼ毎号掲載していた性風俗総合雑誌『風俗奇譚』が1974年（昭和49）10月に終刊となり、その後継誌『ＳＭファンタジア』も1975年9月に廃刊になると、女装関係の記事を定期的に掲載する雑誌は姿を消してしまいます。その時から1980年6月にアマチュア女装の専門誌『くいーん』が創刊されるまでの約５年間、情報媒体を失ったアマチュア女装世界は「冬の時代」を迎えます。
この「空白の５年間」に、当時、隆盛を誇ったＳＭ雑誌を舞台に特異な活躍を続けた一人の女装者がいました。その名は中村和美、もしくは鶴川仙弥です。彼女の実質的デビューは『ＳＭセレクト』1977年8月号掲載の「濡れ菊舞台」、座長たちによって女装マゾに仕込まれていく旅回りの女形を主人公にした女装ＳＭ小説でした。以後、鶴川仙弥の筆名で「濡れ菊」シリーズは３作まで書かれます。さらに1978年から80年にかけて中村和美の筆名で「絢爛たる転生」「緊縛女装に憑かれて」「倒錯への転生」「女になって出直せ」「緋の情炎」などの告白手記や体験小説を複数のＳＭ雑誌に次々に発表します。 |
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その表題から解るように彼女は白塗り化粧に潰し島田の髪、緋色の襦袢や腰巻をこよなく愛する女形フェチであり、その姿のまま緊縛され辱められ、男性に肛交されることを好む典型的な和装女装マゾでした。つまり「濡れ菊」シリーズで被虐の快感に目覚めていく女形仙弥は、中村和美の分身だったのです。
こうした彼女の特異な作風は、作品に添えられた彼女の和装緊縛写真と相まって、一部の読者に強烈な興奮を与えました。彼女の実質的な執筆活動は、わずか５年足らずの短期間だったにもかかわらず、それが偶然にも「空白の５年間」に当たっていたこともあって、女装世界に残した印象は鮮烈なものがありました。それは長い伝統を持つ和装女装の世界が放った最後の光芒だったのかもしれません。
2000年の秋、私は新宿歌舞伎町の老舗女装スナック「ジュネ」（03-3209-7491）で中村和美さんにお目にかかり、お話をうかがう機会がありました。ここに掲載した写真は、その時にいただいた中村和美の妖艶な被虐美の世界を物語る未発表写真です。 |
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 [画像資料] 画像をクリックしていただければ大きな画像が見られます |
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「資料１０-１」 |
「資料１０-２」 |
「資料１０-３」 |
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| 資料10-1 |
島田の髪に紫の着物も粋な芸者姿で口淫。 |
| 資料10-2 |
緋色の腰巻姿での緊縛。足元には巨大な鼻の天狗の面。 |
| 資料10-3 |
白粉を塗った胸に朱縄がくいこむ。 |
| 資料10-4 |
緋色の襦袢姿。向い茶臼で犯される。 |
| 資料10-5 |
犯されながらしごかれる女装マゾの悦楽 |
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